日本人が中国に留学する場合、
反日感情ってやっぱり気になりますよね。
中国って今でも反日感情があるのか?
あります。
100%間違いなくあります。
けど、これってしょうがないんです。
戦争が終わったのが1945年。
今年で66年です。
この66年という年月。
加害者にとっては「66年も」ですが、
被害者にとっては「まだ66年」です。
考えてみてください。
中国で今80歳の人。
戦争中は小中学生だったんです。
彼らの記憶の中で戦争は実体験です。
家を焼かれた人もいるでしょうし、
家族を亡くした人もいるはずです。
そんな人達にとって、
戦争は決して風化した思い出ではありません。
今の20代の若者たちにとっては、
もちろん実体験の戦争ではありません。
ですが、彼らの祖父母は実体験してきた人達です。
彼らにとって日本とは、
祖父母の頃の中国と戦争をした国なんです。
そんな今の中国で、
反日感情がゼロになるわけがないですよね。
あの戦争は侵略ではなかったとか、
江沢民の歴史教育が悪いとか、
いろいろ言いたい人もいるでしょう。
けど、そんなの理屈の問題です。
人の心は理屈では制圧できません。
四の五の言ったところで、
反日感情があるのは厳然たる現実です。
そういう国に行くんだ、という意識は持って然るべきです
それから、
「反日感情が少ない地域はどこですか?」
というお問い合わせをよく受けます。
そんな地域ありません。
中国全土どこに行こうと、
反日感情は必ずあります。
反日感情というと、
みなさん、東北三省や南京をイメージされるかもしれません。
戦争があったのはそこだけだと勘違いしてませんか?
北京や青島、広州は言うまでもなく、
西安や武漢、重慶など内陸都市も戦闘が行われています。
上海や大連とか反日感情がなくて、
至って親日的なところだとか思ってませんか?
上海って戦争で無傷だったとか思ってませんよね?
上海って実は日中間の戦闘がなんども行われ、
何万という中国人が死んでいるんです。
軍人だけでなく一般市民もです。
80代以上の上海人って、その時の生き残りです。
決して反日感情と無縁ではないんです。
我々は日本人です。
中国大陸で戦った日本人の子孫です。
その我々が反日感情から逃げることはできません。
絶対にできません。
それが日本人として生まれてきた我々の宿命です。
我々は先人たちから多くのものを受け継いできました。
世界有数の経済大国であり、
数々の科学分野で先頭を走る技術大国であり、
ビザなしで大半の国に渡航できる信用度の高い国です。
それらはすべて、先人たちが築き上げ、
先人たちから我々が受け継いだものです。
都合の良い部分だけ受け継いで、
都合の悪い部分は受け継がない。
そんな身勝手は許されません。
貯金も借金もともに相続する。
それでこそ子孫です。
と言っておいて今さらなんですが、
反日感情が留学生活に影響するか?というと、
実はまったくと言って良いほど影響しないんです。
まず中国人は、
戦争を起こした国家としての日本国と、
1人の人間としての日本国民を分けて考えます。
日中戦争は一部の軍国主義者が起こしたもので、
日本人もまた、その被害者である。
これが中国共産党の正当な歴史認識であり、
その教育が戦後60余年に渡って徹底されてきました。
江沢民時代でさえ、この原則は曲げられていません。
ですので、多くの中国人は、
戦争を起こした日本国が嫌いだと言いつつ、
目の前にいる日本人を嫌うということはしません。
また、若者の政治離れは中国も同じです。
イデオロギーとしての反日よりも、
目の前にいる日本人への興味のほうが上です。
ましてや、互相学習などで交流する中国人学生は、
そもそも日本に興味、好感を持っているわけです。
ですので、日々の留学生活の中で、
反日感情が原因で嫌な思いをすることは、
ほとんどありません。
でも、100%ゼロでもありません。
それはしょうがないです。
我々は日本人ですから。
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